AIDと出自を知る権利

家族を創る ~ Building a family

パネルディスカッション
「家族を創る ~ Building a family」

子どもをもちたい夫婦に対して、提供された精子を用いた人工授精(非配偶者間人工授精、以下AID)という医療は長い間、世界中で行われ、多くの家族をつくってきました。

しかし、生まれた子どもが成長するにつれて、親から子どもへの告知、生まれた人々が提供者の情報を知る権利、適当な提供者のリクルートなど、この医療の様々な課題も明らかになってきています。その課題に様々な国が、様々なやり方で対処していますが、これであればそれ以降の努力は必要ない、という完璧な制度はありません。どの国も、継続してこの医療をよりよいものとする努力を続けているのが現状です。

AIDを我が国で今後どのように運営するのが妥当であるのか、またその最終的な目的はどこにあるのでしょう?このパネルディスカッションでは「Building a family」の著者で、この問題の世界的権威であるニュージーランドのKen Daniels教授の特別講演を中心に、その課題のいくつかを皆さんと一緒に考え、我々が次に歩み出す道筋を話し合いたいと思います。

この問題に関心ある方、どなたでもご参加を心より、お待ちしております。

会場:東京医科大学病院 6階 臨床講堂
〒160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1 東京医科大学病院
日時:平成27年4月25日(土) 午前10時〜12時
参加費:無料
パネルディスカッション(敬称略)
1.出自を知る権利の必要性AIDでうまれた方
2.AID親の会「すまいる」の経験から清水清美
3.養子問題との関連岩崎 美枝子
4.海外のAID制度とその課題久慈直昭
特別講演
「Building a family」Ken Daniels
連絡先:久慈直昭 東京医科大学産科婦人科

(この研究会の資金の一部は厚労科学研究補助金により拠出されています)

パネラーの紹介(敬称略)

清水清美

城西国際大学 看護学部 教授
無精子症と診断され、それでも子どもを授かりたい夫婦が様々な角度から相談できる自助グループ「すまいる親の会」を主催。

岩崎 美枝子

家庭養護促進協会 常務理事
新しい家庭を必要とするこどもたちに対する里親・養親さがしをはじめ、子どもの立場から家庭にくらすこどもたちが健やかに育つために様々な活動を行う。

久慈直昭

東京医科大学 産科婦人科 教授
AIDの臨床に長く関わり、提供者のリクルート・実際のAID治療を行うとともに、親や提供者へのアンケート調査を施行。

Ken Daniels

カンタベリー大学(ニュージーランド)、 特任教授)
世界で最も早くに出自を知る権利を認めた国の一つであるニュージーランドでその動きを中心となって進めた。その後、世界におけるこの治療の状況・推移を精力的に研究、名実ともこの分野の世界的権威で有り、一般向けの解説書である「Building a family」の著者。